不定詞の様々な形
不定詞の進行形について解説します。
不定詞の進行形の解説に入る前に、解説に出てくる表現を2つ解説します。
まず、1つ目は、It seems that 〜 「〜のようです」です。
このthatは接続詞なので、以下のように〜の部分には節(「主語 + 動詞」からなる文)が置かれます。
It seems that he is rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
そして、上の文はthat節中のheを主語にし、seemの後ろに不定詞(この場合to be)を置いて以下のように書き換えることができます。
He seems to be rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
以下のように、heを繰り返すような言い方はしません。
×He seems that he is rich.
2つ目は、It is said that 〜 「〜と言われている」です。
このthatも接続詞なので、以下のように〜の部分には節が置かれます。
It is said that he comes from Korea.
「彼は、韓国出身だと言われています。」
この文も、that節中のheを主語にし、is saidの後ろに不定詞(この場合to come)を置いて以下のように書き換えることができます。
He is said to come from Korea. 「彼は、韓国出身だと言われています。」
以下のように、heを繰り返すような言い方はしません。
×He is said that he comes from Korea.
それでは、不定詞の進行形の解説に入ります。
ここで、以下の文を不定詞を用いた文に書き換えてみましょう。
It seems that he is playing tennis now.
「彼は、今テニスをしているようです。」
この時、that以下の文章でis playingと進行形が用いられているので、この場合不定詞の進行形を用いなければなりません。
不定詞の進行形の形は、「to + be + 動詞のing形」です。
不定詞「to + 動詞の原形」の後ろに進行形「be動詞 + 動詞のing形」を置くので、不定詞のtoの後ろには必ずbe動詞の原形であるbeが置かれます。
そして、to beの後ろに進行形を作る動詞のing形が置かれ、「to + be + 動詞のing形」という形になります。
不定詞の進行形の意味は、不定詞の名詞的用法の「〜すること」と進行形の「〜している」が組み合わさり、「〜している(こと)」となります。
よって、先ほどの文は不定詞の進行形(この場合to be playing)を用いて以下のように書き換えることができます。
He seems to be playing tennis now. 「彼は、今テニスをしているようです。」
次に、以下の文を不定詞の進行形を用いて書き換えてみましょう。
It is said that she is studying. 「彼女は、勉強していると言われています。」
この場合、以下のように不定詞の進行形はto be studyingとなります。
She is said to be studying. 「彼女は、勉強していると言われています。」
不定詞の受動態[to be + 過去分詞]について解説します。
不定詞の受動態の形は、不定詞「to + 動詞の原形」と受動態「be動詞 + 過去分詞」を組み合わせ、「to + be + 過去分詞」となります。
意味は、不定詞の名詞的用法の「〜すること」に受動態の「〜される」の意味が加わり、「〜されること」となります。
以下の通常の不定詞と不定詞の受動態を用いた例文をみてみましょう。
まず、通常の不定詞の名詞的用法を用いた文です。
I like to give a present. 「私は、プレゼントをあげることが好きです。」
この文中のto giveは、通常の不定詞で意味は「あげること」となります。
次に、不定詞の受動態を用いた文です。
I like to be given a present. 「私は、プレゼントを貰うことが好きです。」
この文中の不定詞の受動態to be givenは直訳すると「与えられること」という意味になりますが、この場合「貰うこと」とした方が自然です。
もう1つ通常の不定詞と不定詞の受動態を用いた例文をみてみましょう。
まず、通常の不定詞の名詞的用法を用いた文です。
I want to love her. 「私は、彼女を愛したい。」
want toは、直訳すると「〜することが欲しい」という意味なりますが、これでは日本語的に不自然なため「〜したい」と訳します。
次に、不定詞の受動態を用いた文です。
I want to be loved by her. 「私は、彼女によって愛されたい。」
この文中の不定詞の受動態to be lovedは「愛されること」となりますが、「愛されることが欲しい」では日本語的に不自然なため「愛されたい」と訳します。
不定詞の完了形[to have + 過去分詞]について解説します。
不定詞の完了形の解説に入る前に、It seems that 〜 「〜のようです」という表現について解説します。
このthatは接続詞なので、以下のように〜の部分には節(「主語 + 動詞」からなる文)が置かれます。
It seems that he is rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
そして、上の文はthat節中のheを主語にし、seemの後ろに不定詞(この場合to be)を置いて以下のように書き換えることができます。
He seems to be rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
以下のようにheを繰り返すような言い方はしません。
×He seems that he is rich.
それでは、不定詞の完了形の解説に入ります。
まず、以下の文をHe seems to 〜 を用いた文に書き換えてみましょう。
It seems that he was rich. 「彼は、お金持ちだったようです。」
この場合、上で解説したHe seems to be rich.という文では間違いです。
以下の文では、「現在」彼がお金持ち(is rich)ということが「現在」推測(〜のようです)されており、主節の時制(seem)とthat節の時制(is)が同じです。
It seems that he is rich.
この場合、He seems to 〜 という文に書き換える時に、to 〜の部分で「過去のこと」であることを表さなければなりません。
しかし、不定詞は「to + 動詞の原形」なのでtoの後ろに「過去のこと」を表すために、過去形のwasを置くことはできません。
to beでは1つ目の文と同じで現在のことになってしまい、過去を表すためにto wasも使えません。こような場合に、不定詞の完了形を用います。
不定詞の完了形の形は、不定詞「to + 動詞の原形」と現在完了形「have + 過去分詞」を組み合わせ、「to + have + 過去分詞」となります。
意味は、通常の不定詞の「〜すること」に対して「〜だった(こと)」となります。
よって、先ほどの文は、不定詞の完了形を用いて以下のように書き換えることができます。
He seems to have been rich.「彼は、お金持ちだったようです。」
不定詞の完了形は、「過去形」を表すのではなく、あくまで主節の時制(この場合現在)より1つ古い時制(この場合過去)を表します。
次に、以下の文の書き換えも考えてみましょう。
It seemed that he had come here. 「彼は、ここに来たようでした。」
この文では、主節の時制が「過去(この場合seemed)」、that節の時制が「過去完了(この場合had come)」となっています。
過去完了(大過去)は、過去より古い時の状態や動作を表します。
この文は、過去のある時点で、その時点よりさらに過去(前)に彼が「ここに来た」といことを「〜だったようでした」と推測したことを表しています。
例えば、彼がここに来たのが1週間前で、それを推測したのが昨日だったというような状況です。
よって、主節の時制「過去」よりthat節中の時制大過去」が1つ古いので、この場合も不定詞の完了形を用いて以下のように表します。
He seemed to have come here. 「彼は、ここに来たようでした。」
これで、過去のある時点で「彼がここに来た」、それより後の過去の時点で「〜だったようでした」と彼がここに来たことを推測したということが表せます。
ちなみに、以下のように主節の時制「過去(この場合seemed)」とthat節の時制「過去(この場合came)」が同じ場合は通常の不定詞を用います。
It seemed that he came here. 「彼は、ここに来るようでした。」
この文をHe seems to 〜 を用いて書き換えると、以下のようになります。
He seemed to come to the party.
It is said that 〜 を用いて、不定詞の完了形について解説します。
不定詞の完了形の形は、不定詞「to + 動詞の原形」と現在完了形「have + 過去分詞」を組み合わせ、「to + have + 過去分詞」となります。
そして、不定詞の完了形は、主節の時制(この場合現在)より1つ古い時制(この場合過去)を表します。意味は「〜だった(こと)」です。
不定詞の完了形の解説に入る前に、It is said that 〜「〜と言われている」について簡単に解説します。
このthatは接続詞なので、以下のように〜の部分には節(「主語 + 動詞」からなる文)が置かれます。
It is said that he plays tennis. 「彼は、テニスをすると言われている。」
そして、上の文はthat節中のheを主語にし、is saidの後ろに不定詞(この場合to play)を置いて以下のように書き換えることができます。
He is said to play tennis. 「彼は、テニスをすると言われている。」
以下のようにheを繰り返すような言い方はしません。
×He is said that he plays tennis.
それでは、以下の文をHe is said to 〜 の文に書き換えてみます。
It is said that he played tennis. 「彼は、テニスをしたと言われている。」
この場合、上で解説したHe is said to play tennis.という文では間違いです。
以下の文では、「現在」彼がテニスをする(plays tennis)ということが「現在」言われており(is said)、主節の時制(is)とthat節の時制(play)が同じです。
It is said that he plays tennis.
よって、toの後ろにplaysの原形のplayを置いて以下のようになります。
He is said to play tennis.
ところが、以下の文では「過去のある時点」で彼がテニスをしたということが「現在」言われており、that節の時制が主節の時制より1つ古くなっています。
It is said that he played tennis. 「彼は、テニスをしたと言われている。」
この場合、He is said to 〜 という文に書き換える時に、to 〜の部分で「過去のこと」であることを表さなければなりません。
不定詞は「to + 動詞の原形」なのでtoの後ろに「過去のこと」を表すために、過去形のplayedを置くことはできません。
to playでは1つ目の文と同じで現在のことになってしまい、過去を表すためにto playedも使えません。こような場合に、不定詞の完了形を用います。
よって、先ほどの文は、不定詞の完了形を用いて以下のように書き換えることができます。
He is said to have played tennis. 「彼は、テニスをしたと言われている。」
次に、以下の文の書き換えも考えてみましょう。
It was said that he had been rich.
「彼は、お金持ちだったと言われていた。」
この文では、主節の時制が「過去(この場合was said)」、that節の時制が「過去完了(この場合had been)」となっています。
過去完了(大過去)は、過去より古い時の状態や動作を表します。
上の文は、過去のある時点で、その時点よりさらに過去に彼が「お金持ちだった」といことが「〜だったと言われていた」と噂されていたことを表しています。
例えば、彼がお金持ちだったのが10年前で、そのことについて話されたのが昨日だったというような状況です。
よって、主節の時制「過去」よりthat節中の時制「大過去」が1つ古いので、この場合も不定詞の完了形を用いて以下のように表します。
He was said to have been rich. 「彼は、お金持ちだったと言われていた。」
これで、過去のある時点で「彼がお金持ちだった」、それより後の過去の時点で「〜だったと言われていた」と彼のことについて話されたことを表します。
ちなみに、以下のように主節の時制「過去(この場合was said)」とthat節の時制「過去(この場合was)」が同じ場合は通常の不定詞を用います。
It was said that he was rich. 「彼は、お金持ちであると言われていた。」
よって、この文をHeを主語にした文に書き換えると以下のようになります。
He was said to be rich.



