不定詞の様々な形
不定詞の完了形[to have + 過去分詞]について解説します。
不定詞の完了形の解説に入る前に、It seems that 〜 「〜のようです」という表現について解説します。
このthatは接続詞なので、以下のように〜の部分には節(「主語 + 動詞」からなる文)が置かれます。
It seems that he is rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
そして、上の文はthat節中のheを主語にし、seemの後ろに不定詞(この場合to be)を置いて以下のように書き換えることができます。
He seems to be rich. 「彼は、お金持ちのようです。」
以下のようにheを繰り返すような言い方はしません。
×He seems that he is rich.
それでは、不定詞の完了形の解説に入ります。
まず、以下の文をHe seems to 〜 を用いた文に書き換えてみましょう。
It seems that he was rich. 「彼は、お金持ちだったようです。」
この場合、上で解説したHe seems to be rich.という文では間違いです。
以下の文では、「現在」彼がお金持ち(is rich)ということが「現在」推測(〜のようです)されており、主節の時制(seem)とthat節の時制(is)が同じです。
It seems that he is rich.
この場合、He seems to 〜 という文に書き換える時に、to 〜の部分で「過去のこと」であることを表さなければなりません。
しかし、不定詞は「to + 動詞の原形」なのでtoの後ろに「過去のこと」を表すために、過去形のwasを置くことはできません。
to beでは1つ目の文と同じで現在のことになってしまい、過去を表すためにto wasも使えません。こような場合に、不定詞の完了形を用います。
不定詞の完了形の形は、不定詞「to + 動詞の原形」と現在完了形「have + 過去分詞」を組み合わせ、「to + have + 過去分詞」となります。
意味は、通常の不定詞の「〜すること」に対して「〜だった(こと)」となります。
よって、先ほどの文は、不定詞の完了形を用いて以下のように書き換えることができます。
He seems to have been rich.「彼は、お金持ちだったようです。」
不定詞の完了形は、「過去形」を表すのではなく、あくまで主節の時制(この場合現在)より1つ古い時制(この場合過去)を表します。
次に、以下の文の書き換えも考えてみましょう。
It seemed that he had come here. 「彼は、ここに来たようでした。」
この文では、主節の時制が「過去(この場合seemed)」、that節の時制が「過去完了(この場合had come)」となっています。
過去完了(大過去)は、過去より古い時の状態や動作を表します。
この文は、過去のある時点で、その時点よりさらに過去(前)に彼が「ここに来た」といことを「〜だったようでした」と推測したことを表しています。
例えば、彼がここに来たのが1週間前で、それを推測したのが昨日だったというような状況です。
よって、主節の時制「過去」よりthat節中の時制大過去」が1つ古いので、この場合も不定詞の完了形を用いて以下のように表します。
He seemed to have come here. 「彼は、ここに来たようでした。」
これで、過去のある時点で「彼がここに来た」、それより後の過去の時点で「〜だったようでした」と彼がここに来たことを推測したということが表せます。
ちなみに、以下のように主節の時制「過去(この場合seemed)」とthat節の時制「過去(この場合came)」が同じ場合は通常の不定詞を用います。
It seemed that he came here. 「彼は、ここに来るようでした。」
この文をHe seems to 〜 を用いて書き換えると、以下のようになります。
He seemed to come to the party.



